活動報告

2021年1月11日

活動報告令和2年度 第3回研修会を開催しました

日 時:令和2年12月20日 9時30分~12時40分(休憩5分)
場 所:ZOOMによるオンライン開催
テーマ:「おとみんのよくばりレッスン♪」
    小児の食育と口腔機能をリアルに学びましょう~
講 師:宮坂 乙美先生(歯科衛生士)
参加人数:77名(会員29名、県外会員2名、会員外17名、学生29名)




 今回の研修会はオンラインにて開催し、小児歯科保健指導や食育の分野で著名な宮坂乙美先生をお迎えしました。小児の「食育」をソフト面、「口腔機能」をハード面とし、両面からアプローチするための基礎知識、指導方法を具体的にお話いただきました。

 やわらかい食べ物、砂糖と油まみれの食事、食品の購入権を子どもが持つこと、朝食を食べないということが、子どもの歯・口腔に影響するだけでなく、生活習慣病や無気力につながることや、前歯で嚙み切る、臼歯ですりつぶすという動作ができるような食品、例えば、「まごわやさしい」に示されるような食品を、調理方法を工夫して与えること、おやつとしても与えることで、血糖値が急上昇急降下することを防ぎ、口腔機能だけでなく、脳の働きや体温上昇につながると学びました。シュガーコントロールについては、食品成分表示をよく確認し、う蝕につながるもの、例えば、キシリトール配合であっても砂糖が含まれている、砂糖不使用と書かれていても食品自体に糖分が含まれている等、食品全体を見て指導することが大切であること。スポーツドリンクや経口補水液は常飲するものではないこと。仕上げ磨きは、歯が萌出していない時期からスキンシップとして口に触ることに慣れさせる(脱感作)、上顎が見える姿勢をとる、診療所における歯磨き指導は、実際の仕上げ磨きの姿勢(床に寝かせて磨く)で行う等の工夫ができる事についても教えていただきました。

 鼻は呼吸、口は基本的に消化器官であり、診療室でも、摂食嚥下障害・発音障害につながる子どもの口呼吸、姿勢をよく観察することが大切である事、0~2歳の子どもの歯科受診は増加傾向であり、口腔内の様子が大人と異なるため、解剖学的な知識を身に着けておくことも必要な事、離乳食の時期は、唇や舌の使い方を覚える為、食べるときは足を床に着けて良い姿勢になるように注意する事、ハイハイや表情豊かな「変顔」を大人が見せ、その「まねっこ」をさせることも口腔機能発達につながり、うがいは2歳でぶくぶく、3歳でガラガラができるようになっていく事など、盛り沢山な内容でした。


 私たち歯科衛生士は、食育や歯科保健指導を通して、その子の「食べたい」「やりたい」という気持ちを引き出し、子育てを支援することが求められ、講師から具体的なポイントをお話いただき、患者への指導に活用できるものばかりでした。今回の研修を機に、歯科衛生士が知識、技術を深め、よりよい支援ができるようになることを願っています。




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