活動報告

2021年3月7日

活動報告令和2年度 第4回研修会を開催しました

日 時:令和3年1月24日(日)

場 所: オンライン研修会(ZOOM)

テーマ:「なぜ、あなたの口腔ケアは効果がないのか?」

講 師:舘村 卓先生(歯科医師)

参加人数:80名

 (滋賀県歯科衛生士会会員35名 学生33名 県外会員9名 会員外3名)


 一般社団法人TOUCH代表理事舘村卓先生をお迎えし、口腔生理学に基づいた基本的な口腔機能を理解する事が如何に大切なのか症例を交え、ご講演いただきました。講演の中では、「呼吸路の安全確保、口腔咽頭機能の賦活、口腔機能に応じた食事調整」の3つの視点から口腔生理学を学べました。


 嚥下障害への対応は、どの年代にも共通であり、また食物摂取は発達過程、離乳食初期の乳幼児の口腔内と、同様のレベル食物調整など、嚥下機能の問題点を解りやすく解説していただきました。理論の裏付けない「口腔ケア」は如何に危険かを実例とともに解説され、口腔ケアをする時に患者さんの姿勢や体制の重要性を知りました。また微熱がある時も口腔ケアは行った方が良く、その根拠はプラーク由来誤嚥性肺炎が起こっているためとお話されました。


 7年間非経口摂取であった遷延性意識障害の方症例を紹介していただきました。ご家族の希望であるゼリーを一口でもよいからと、非経口摂取であった方の摂食訓練を開始し、最終とろみ食まで食べられることができた症例でした。歯科衛生士が在宅歯科診療に関わる場で、患者のQOLが向上していく姿は、心温まる症例で目指したい姿でした。


 質疑応答では、マッサージをご家族にお願いする時の注意点を教えていただきました。声かけは、必ず大切であり、今から何をするか伝えルーティン化をする、指でマッサージしてもらう、本人がしんどかったら止めてもらう、家族がしんどかったらやめてもらう、毎日1分でも5分でも続けてもらうように指導してもらうなど、実践に役立つお話をしていただきました。


 今回の研修会が全ての歯科衛生士が、歯科診療の現場に活かしてくれることを願う研修会でした。

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